梅雨が始まる前に「冬用の寝具を干して片付けたい」と考えている人は多いのではないでしょうか。SNSでも「羽毛布団を仕舞う時期かな」「そろそろ羽毛布団を片付けよう」という投稿が目立ちます。お手入れ方法についてのコメントや疑問も多く見られます。
「圧縮袋を買ってきたので、今から羽毛布団を片付けます！」 「羽毛布団ってどうやって保管していますか？最近、圧縮袋に入れるのはよくないと聞きました」 「羽毛布団などの冬の寝具やコートを60度のお湯で洗います（自己責任ですが）」 「コインランドリーに行って羽毛布団を洗い、収納完了しました」
高価な羽毛布団、洗い方を間違えたらどうしようと心配で、コインランドリーでの丸洗いに踏み切れない私。さらに、圧縮収納も良くないという情報をSNSで見かけて、お手入れ方法がわからなくなってしまいました。
そこで、フランスベッド株式会社 インテリア商品企画課の綱島雄一郎さんに、羽毛布団のお手入れと収納方法について伺いました。
コインランドリーでの洗濯は注意が必要！
ーー羽毛布団は一年中使えると言われますが、冬用の羽毛布団は夏には使えませんよね？
「羽毛布団は吸湿発散性が高く、一年中使えます。ただし、季節に合わせて使用するものが異なります。夏には『肌掛け』と呼ばれる薄い羽毛布団、春や秋には『合い掛け布団』、冬には『本掛け布団』が適しています。冬用の厚い羽毛布団は夏には適さないでしょう。」
ーー羽毛布団を片付ける前にやるべきことはありますか？
「まず、布団の状態を確認してください。ほこりやごみは掃除機で取り除き、汚れがひどい場合はクリーニングに出すのも良いでしょう。しっかり乾燥させることも重要です。天日干しをして湿気を取り除いてから、通気性の良い収納バッグに入れ、湿気の少ない場所で保管してください。」
ーーコインランドリーで洗う際の注意点はありますか？
「羽毛布団の洗濯表示を確認することが大切です。家庭で洗える表示があれば、自宅で洗濯できます。その場合、カバーを外して洗濯ネットに入れて洗濯してください。コインランドリーの注意書きに従いましょう。
ただし、一般社団法人日本寝具寝装品協会の『ふとん品質表示規程集』では、『羽毛掛けふとん』は家庭での洗濯ができないとされています。羽毛布団はタンブラー乾燥をすると、生地や中の羽毛が傷む可能性があるため、乾燥機を使わずに天日干しでしっかり乾かすことをお勧めします。そのため、コインランドリーでの洗濯はあまりお勧めできません。」
ーータンブラー乾燥で羽毛が傷むこともあるとは知りませんでした
「一概には言えませんが、その可能性もあります。羽毛が湿気を多く含んで膨らまなくなることが原因の一つです。まずは天日干しをしてふわふわ感が戻るか確認してください。それでも戻らない場合は、中の羽毛が破損している可能性があります。その場合は、リフォームを検討することをお勧めします。当社でも『羽毛リフォーム＆リメイク』を行っています。」
ーー『羽毛リフォーム＆リメイク』では何をするのですか？
「当社では、国内自社工場でお客様の羽毛を個別に洗浄します。これは『プレミアムダウンウォッシュ仕上げ』という最高ランクの仕上げ方法です。羽毛が足りない場合は新しい羽毛を追加し、外側生地も新品にしてお返しします。」
ーーほぼ新品のようですね。フランスベッド以外の製品でも対応してくれますか？
「はい、メーカーに関係なく対応していますが、ダウンの比率が70%未満の場合などは対応できないこともありますので、無料見積もりで確認させていただきます。」
ーー羽毛布団の寿命はどれくらいですか？
「品質にもよりますが、一般的には10～15年です。リフォームや適切なメンテナンスでさらに長く使うこともできます。」
布団圧縮袋の使用はお勧めできません
ーー布団圧縮袋での保管はどうですか？
「圧縮袋はお勧めしません。羽毛が折れたり破損したりして、元通りに膨らまなくなる可能性があります。優しく押しながら空気を抜き、通気性の良い収納袋に入れて保管してください。」
ーー羽毛布団の正しい保管方法を知らなかったです。ほかに知っておくべきことはありますか？
「快適な睡眠を得るためには、布団の中の温度と湿度を快適に保つことが重要です。羽毛布団はその調節に優れています。品質によって能力に差があるため、購入時には羽毛の産地や加工方法をよく調べてください。正しく使えば、長く快適に使えるサステナブルな布団です。」
プロの話を聞いて、今までのやり方を反省しました。古くなった羽毛布団もリフォームすることで長く使えるのは環境にも優しいですね。
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