自動車の保管場所標章、廃止へ
かつて車庫証明を取得すると500円で交付され、車のリアガラスに貼るように指示されていた「保管場所標章(通称:車庫証明ステッカー)」が廃止されることになりました。なぜこのようなものが作られたのか、疑問が残ります。
警察庁の照会システムの進化により不要に
2024年5月17日、衆議院で「自動車の保管場所の確保等に関する法律(通称:車庫法)」の改正案が成立し、車庫証明時に交付される保管場所標章(いわゆる車庫証明ステッカー)が廃止されることが決まりました。予定通りならば30日以内に公布され、1年以内に施行される予定です。
このステッカーは1991年に導入されました。当時は路上駐車や私有地への無断駐車が多く、事故やトラブルの原因となっていました。そこで警察庁が車庫法を改正し、保管場所を届け出ると同時にそれを証明する標章を車に貼ることを義務付けました。これにより保管場所の有無が一目でわかるようになり、路上駐車などは減少する傾向が見られました。
しかし、車庫証明ステッカーは義務であるものの、貼らなかった場合の罰則がなかったため、「カッコ悪いし、車を売るときに剥がすのが面倒だから、車検証入れに入れておくだけ」というユーザーもいました。
制度の開始から30年以上が経過し、その間に警察の照会システムが進化し、車のナンバープレートを調べるだけで所有者や保管場所が容易にわかるようになりました。そのため、車庫証明ステッカーの存在意義が薄れ、2023年末に警察庁が「保管場所標章を廃止する」と発表し、その後の法改正に至りました。
車のユーザーにとって、ステッカーの廃止により「貼る」「剥がす」という作業が減ることは嬉しいことですが、それ以上に標章公布手数料として取られていた500円がなくなることは地味にありがたいです。車購入の手続きは煩わしいものが多いので、その手間が少しでも軽減されることを期待しています。
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